第31回日本ワクチン学会、会長:園田 憲悟(KMバイオロジクス株式会社)/第68回日本臨床ウイルス学会、会長:竹田 誠(東京大学大学院医学系研究科・医学部・微生物学)

第31回日本ワクチン学会 会長挨拶

ご挨拶

代表世話人:園田 憲悟
第31回日本ワクチン学会
会長 園田 憲悟
KMバイオロジクス株式会社

このたび、第31回日本ワクチン学会学術集会の会長を拝命し、熊本城ホールにて本学術集会を開催できますことを大変光栄に存じます。また、本年も日本臨床ウイルス学会との合同学術集会として開催できますことを心より嬉しく思います。

本学術集会のテーマは、「強靭な感染症エコシステムを築く」です。新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、感染症対策が単なる医療や公衆衛生上の課題ではなく、社会・経済活動を支える重要な基盤であることを私たちに改めて認識させました。一方で、パンデミック終息後も、「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づき、新興・再興感染症への備え、ワクチン研究開発基盤の強化、製造供給体制の確立、感染症サーベイランス、人材育成、国際連携など、多くの取り組みが次なるパンデミックへの備えとして継続されています。感染症との闘いに終わりはありません。次なる脅威に備えるためには、平時から産学官民がそれぞれの役割を果たしながら連携し、知識、技術、人材、インフラが有機的につながる持続可能な「感染症エコシステム」を構築していくことが不可欠です。

日本ワクチン学会と日本臨床ウイルス学会の合同開催は、基礎研究、臨床、疫学、公衆衛生、製造、規制・政策といった幅広い領域の知見を結集し、分野を超えた議論を深める貴重な機会です。本学術集会が、多様な専門性を有する研究者、医療従事者、行政担当者、企業関係者の交流の場となり、新たな連携やイノベーション創出の契機となることを期待しております。

開催地である熊本は、2016年の熊本地震から力強い復興を遂げてまいりました。しかしながら、本年7月には再び地震に見舞われ、新たな被災地域では復旧・復興への歩みが始まったばかりです。それでも、多くの人々の支えと連帯によって、必ずや復興を成し遂げるものと信じています。その象徴の一つが熊本城です。幾多の災害や困難を乗り越えながら、地域の人々に勇気と希望を与え続けてきました。本学術集会のポスターには、熊本城の堅牢な石垣を代表する「武者返し」を背景に、築城の名手として知られる加藤清正公がウイルスを斬る姿を描きました。これは、感染症に立ち向かう私たちの強い意志と、社会を守る強靭な基盤づくりへの願いを表現したものです。武者返しが外敵の侵入を防ぐように、ワクチンをはじめとする科学技術の力が人々の健康と社会を守る礎となることを願っております。

最後に、水と緑に恵まれた熊本の地に多くの皆様をお迎えし、本学術集会が我が国のみならず世界の感染症対策とワクチン科学のさらなる発展に寄与する実り多い交流の場となり、皆様とともに、次世代へつながる強靭な感染症エコシステムの未来を熊本から発信できることを楽しみにしております。また、復興への思いを共有する機会としても、多くの皆様にご来熊いただければ幸いです。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。